(映画パンフレット)『スペル』

  サム・ライミ脚本、監督作品『スペル』(2009)

  原題「Drag Me to Hell」

 (出演) アリソン・ローマン、ジャスティン・ロング、ローナ・レイバーガー、

 (音楽)クリストファー・ヤング

・・『スパイダーマン』の大作映画とはちがって、監督による原点回帰のような笑ってしまうホラー映画。アルジェント監督作『フェノミナ』での散々な目にあわされたジェニファー・コネリーを思わず観ながらかさなった今作でのヒロインへのサディスティックぶりがなんとも可哀そうを超えてこちらも痛めつけられるのを思わず期待してしまったほど。もっとやれ~じゃないけどね。

 ただ、本作では個人的に久しぶりにか気になる俳優(女優)を発見。今まで存在すら知らなかったし気にも留めてなかった女優アリソン・ローマン。この映画以降他の出演作をチェックしてみようかと思ってる。

 映画の中身的、ストーリーとしては、要求(お願い)を利いてれなかった逆恨みに次から次へと嫌がらせ、呪いをかけられるのだが、映画を観ながら、これって或る意味しょうがない、わざとでないという銀行側の言い分もあったということから(べつに最初からおばあさんに不条理な嫌がらせをしてたわけじゃない)、清張作品「霧の旗」での主人公ヒロインの兄の弁護を断ったことによる復讐劇なんかを思わせられたね。どちらもやられたことには納得できない感があるんじゃないかな。

なにしろ今作でのヒロインへの呪いぶりにクチへの攻撃が目立ったようなフェチぶりが。嘔吐物を吐きながら同性どうしとはいえクチとクチを絡ませるぶりが観ながらゾクゾクさせられたりなど。

・・とにかく何が一番この映画を観てよかったかって、『死霊のはらわた』を彷彿させた回帰ぶりを思わせられた監督作の痛快ぶりというよりも、ホラー映画には似つかわしくないようなキュートなヒロインとしての女優の発見がよかったんじゃないかな。他の出演作も気になったね。