(映画パンフレット)(ATG映画)『天使の恍惚』

  若松孝二製作、監督作品『天使の恍惚』(1972)パートカラー作品

  英題「Ecstasy of the Angels」

 (出演)吉沢健(十月)横山エリ(金曜日)荒砂ゆき(秋)、  

 (音楽)山下洋輔トリオ

「・・俺がやったところで何も変わりゃしないのさ、この世の中は!・・(十月)」

・・東京無差別爆弾過激派テロとして鬱屈した若者たちの体と体の密着による快感なき性交、内ゲバ、目的の明確でない遣る瀬無さ、もどかしさ。狂気と暴走。

鑑賞後作用として(自分の)身体でもすぐに体を動かしたくなるほどジッとしてられないムズムズさがあった。

・・モノクロでの出血(墨汁のように真っ黒な血ぶり)場面は観てて痛々しい。

『新宿泥棒日記』時の清楚な感じに見れた横山さん今作では汚れ役というかイメージの違う歌ありの体を張った金曜日役では『泥棒』時の印象が良かったぶんちょっとショック。国会議事堂へ突っ込んでいく爆破カットもイメージとして捉えないと何で急に富士山バックで爆破?と普通に観たら感じてしまう。

ラストカットの新宿東口(百果園前までの坂)を歩いていく十月の行く末(爆弾抱えた)よりも、72年当時の新宿の街並みの方にどうしても目がいってしまう。スチールなどで富士山をバックに立つ横山さんを観ると決まって「仮面ライダーX」が思い起こされるね。同じ御殿場だもんんね。

あと、なんだか聴いてても良いのかどうなのかよくわからないけど、山下洋輔さんらのジャズの演奏も当時の世相感があるよね。あの乱痴気ぶりというか殺伐とした学生運動の頃の鬱憤とした当時の日本を象徴とするような・・なにかがね。

先に若松監督作『あさま山荘~』を観たので過激さ残酷さに関してはまだ今作はエグさが無かったぶん安心して観られたかな。

あと、なんだか聴いてても良いのかどうなのかよくわからないけど、山下洋輔さんらのジャズの演奏も当時の世相感があるよね。あの乱痴気ぶりというか殺伐とした学生運動の頃の鬱憤とした当時の日本を象徴とするような・・なにかがね。