Posted on 3月 20, 2019
(映画パンフレット)『墓にツバをかけろ』
ボリス・ヴィアン原作、脚色。ミシェル・ガスト監督作品『墓にツバをかけろ』(1960)
・・(ボリス・ヴィアン)の名前を知ったのはこのパンフを買ってから。パンフを買って(買った時点でまだ映画を観ていない)、監督は?出演者は?元になった原作は?と見たり調べたりしたなか原作者を知ることになった(いまだに時々ヴァインと間違えたりもする)。
・・じゃあ、なんで観たこと無い(原作も読んだことない)この映画のパンフを買ったのか・・?
・・いまでも思い出せないが、昔観た或る映画のなかでのワンシーンでさりげなく主人公の愛読書(世間では禁書悪書として知られていた)としてさりげなく置かれていたことから、世間にか親にだったかへの反発というのがあったのを微かに覚えている程度でタイトルもウっすら記憶したていど。
・・後年、さっそく記憶のあるこのパンフを買う。それで原作を読んでみよう、映画を(DVDなどで借りて)観ようと・・これがなかなか無い。原作はなんとか或る古書店で見つけたが映画の方は上映はないわ、何処のレンタルショップにも置いて無さそう。なのでどちらも手に入れには現在難しくなってる。
・・さて、原作としてはセンセーショナルな本としてけっこう期待もって読んだんだが、既にこれまでの過去に「オン・ザ・ロード(ケルアック)」や「ライ麦畑でつかまえて(サリンジャー)」など読んできたせいかそれ程過激だとは思わなかったなぁ(ラストにいたっての殺人なども)。
・・そして映画は・・。
サントラにジャズメインの全編フランス語台詞映画となってる。
・・原作を読むことなくまったく予備知識なく映画を観たら、ひとつの作品として5,60年代フランスノワール映画として楽しめたかもしれない。ただセンセーショナルな原作を読んだぶん、どうなっているのかと期待し、どう映像化されてるかと観ると・・全然違った。(元々激怒してた)原作者のヴィアン自身試写会で数分も観ずして心臓発作で倒れそのまま帰らぬ人となったのだが、もし全編観たらどうなってただろうと思い計られる映画を自分も観て、なんだか小じゃれた(ルイ・マル作品か?と思われたような)テイストに残虐性も無いし性表現も乏しかったし、なにしろ結末も全然ちがう(原作ではちゃんと復讐の為姉妹をむごたらしく殺した末、主人公は撃たれたあと縛り首に)。
舞台がアメリカなだけにもし監督がスパイク・リーだったらと想像してしまったり。
・・まぁともあれ、既に買って次に読むものとしてスタンバってる「うたかたの日々」とその映画化「ムード・インディゴ」にも期待しようと思ってる。