(映画パンフレット)『小さな悪の華』

  1954年のニュージーランドで実際に起きた少女による母親殺しをモチーフに映画化、ジョエル・セリア脚本、監督作品『小さな悪の華』(1970)

  原題「Mais ne nous délivrez pas du mal」

 (出演)カトリーヌ・ワグナー、ジャンヌ・グーピル、ベルナール・デラン、

 (音楽)ドミニク・ネイ

   ~『乙女の祈り』、『メイクアップ』、ボードレール、マルドロール、~

 公開時の宣伝コピー「・・地獄でも、天国でもいい、未知の世界が見たいの! 悪の楽しさにしびれ 罪を生きがいにし 15才の少女のふたりは 身体に火をつけた」・・コピーもそうだがパンフの表紙も怖い。

・・裕福な家庭に育っても幸福も不幸もない彼女らによる突発的行動による少女ならではの無垢な怖ろしさを感じた。なんの予備知識もなかったのでラストの舞台パフォーマンスはタブーを超えた抑圧された寄宿舎、教会らにたいする反抗、鉄槌をくだすかのような、或る意味圧巻だったね(思わず息をのんだけど)。『キャリー』っぽさも感じたね。

 別に驚きゃしなかったけど(目くじらたてるような上映禁止にするようなもんでもないでしょ)、たしかに堂々と披露される少女らの裸体、淫行、毒殺、処理されてない腋毛、等々なかなか見られないような描写にドキッとさせられたことは正直あった。

 だからか、「飛んで火にいる~」じゃないが欲望に耐え切れなくなる男たちのザマを見てるとしょうがない反面、馬鹿みたいに見えてしまうね。

・・挑発の格好じゃないけど、椅子に深く寝そべるサマを見てバルテュスの少女像を思われたのは自分だけじゃないと思ったけどね。

・・この映画観て久しぶりにピーター・ジャクソン監督の『乙女の祈り』をもう一回観たくなったのは流れのひとつだろうなぁ。