Posted on 5月 25, 2025
(映画パンフレット)『月』
2016年に起きた障害者殺傷事件を題材にして2017年に発表された辺見庸原作小説「月」をモチーフに映画化、石井裕也脚本、監督作品『月』(2023)
英題「Moon」
(出演)宮沢りえ、オダギリジョー、磯村勇斗、二階堂ふみ、板谷由夏、モロ師岡、鶴見辰吾、原日出子、高畑淳子、
(音楽)岩代太郎
本音、きれいごと、悪意、嘘、人間、ヒト、心(の有る無し)、意思疎通、コミュニケーション、
・・題材(モデル)となった事件(先々の展開)を観る前から知ってたぶん、ちょうどシャロンテート事件をモデルとした『ワンス・アポン~ハリウッド』を鑑賞中のあの気持ちの悪いヒヤヒヤ感をこの映画でも体感。
・・心があるのかどうか、心がない人間は生きている意味がない?排除すべき? 心があっても(話す口や言葉を聞く耳があっても)意思疎通できないコミュニケーションできない関係(仲)もある。こっちの方がより厳しくツラく怖いもんじゃないか。だからか、劇中、四人で鍋を囲んでの会話シーンなんかとても観ちゃいられない嫌ぁ~なリアルさがあったよね(衝撃、インパクトからいえば、隔離されたタカシロさんという患者のシーンよりもガツンと重たかったね)。
・・パンフのデザインに関して。少なくともチラシにもある宮沢さんの写真ひとつくらいは欲しいよね。毎度散々思う表紙デザインに関しては(依然として現在もシンプルパターンが流行りなのか?)絵や写真のないものは分かりにくいということもあるし、なにしろ見ててつまらない。だから今回のこのパンフに関しては文字の「月」というより、せめて劇中サトくんが切り抜いて壁に付けた月を載せて欲しかったなぁと。・・この映画、いろいろ衝撃作やら問題作としてやら(上映禁止までもいわれたりなども)云われたらしいけど自分はとくべつ(そのまえに昔から実録ものが好きだったし、他の作品でもいろいろ観てきたので充分免疫ついてることもあってか)衝撃受けることもなく比較的冷静に観てたかな。もっと云えば視座というのか三次元(第三密度)地球においての起こりうる起きたことを俯瞰して観てた。地球人の愚かな事つまらない事悲しい事として。
・・起きたことは事実として捉えてと。つまりは実際(事実)モデルとなった事件が起きたのも事実、それを基に小説が書かれたのも事実、その原作を基に(モチーフに)映画がつくられたのも事実、その作品を(観る意思を持って、縁があってか)観た自分も事実。はなから映画が良い悪い面白いツマラナイ、不謹慎とか自粛すべき・・でなく観た(観る)個々がどう感じたか、どう捉えたのかじゃないのか。
・・観た後(の感想のひとつ、感じたこと)として、劇中の登場人物の皆にも関りがあるがクリエイトする者(観てる自分もそうだが)にとって勇気をもらったと。生きてれば(何事にも続けていれば)いつかは報われることもあるんだなぁと。