Updated on 11月 10, 2024
(映画パンフレット)『竜二』
PRODUCTION RYUJI(金子正次)製作、金子正次脚本・主演、川島透監督作品『竜二』(1983)
英題「RYUJI」
(出演)金子正次 、永島暎子、金子もも、佐藤金造、北公次、
(主題歌)「ララバイ」萩原健一
・・日本映画史においてもセンセーショナルな話題のひとつとなった作品だったよね(主演の金子正次さんの公開すぐの死)。現在も存命であればどんな役者さんであったかなと思ったりするよね。この映画の中身云々よりも、もっと大きな意味で金子正次という男の生きざまにどうしても惹きつけられる。個人的に思うには松田優作さんよりもカリスマ性あるようにもみえる。で、自分も金子さんのように生きたいかというとそうじゃないが、惚れる、憧れるというディープな捉えじゃないが今でも気にはなるね。歴史的偉人のような何かすごい存在感(オーラが)あるよね。
・・初公開時はまだ子供だった自分にとってたしかにどんな映画か(ヤクザ映画)だとは知っていてそれまでの「仁義なき」シリーズとも違った感じにみえたのもあった。ただ自分にとってはより怖いものがあった。その頃ポスターなどでの(このパンフの表紙しかり)金子さんの真っ黒なサングラス姿を見て79年に起きた三菱銀行事件の犯人(梅川)の籠城姿(サングラス)が重なったりして、なにか怖いものがあったんだよなぁ。
・・映画を初めて観た時には既に「仁義なき」シリーズの方を何作品か観てたりしてたので(やっぱり初見時まだ若かったと今思うが)正直地味だなぁとあまりピンとこなかったけど、歳を重ねながら何度か観たりすると・・やっぱり違うね、・・響くもの訴えかけるものがある・・やっぱりこちらの作品の方が心に突き刺さる。血みどろの銃撃戦だけがヤクザ映画じゃないとね。
十代二十代に観て、ラストの商店街のシーンでもなんでひとり行っちゃうんだろ?(というか、この作品を十代や二十代に観ても響くことはないだろうなぁ)・・というのも、あの烏丸さん金子さん共々観てるこちらも息をのんで固まってしまうあの一瞬の時間・・年齢重ねれば重ねるほど切なく観ちゃいられないような悲しさが映画全部を包み込んでいるように思われる。萩原さんの歌(歌詞もいいね)もなんだかやるせなく切なく聴こえる。巷もそうだが、個人的にもやっぱり名作だ。