(映画パンフレット)『再会』

  斎藤耕一脚本、監督作品『再会』(1975)

 (出演)野口五郎、江波杏子、池部良、角ゆり子、横山リエ、寺田農、

 (音楽)青山八郎

・・『津軽じょんがら節』『旅の重さ』『内海の輪』の斎藤耕一監督作品というよりも、主演のふたり、野口さんや江波さんの出演というよりも、どうしても個人的動機としては角さんの出演ということで(これのみ)まったく内容もわからないまま鑑賞。『続 愛と誠』の方はまだ未観。

これで角さんの作品としては初めて存在を知った『日本沈没』、その器量の良さに他の出演はどうかと待ちに待って特集上映で滅多に観ることのできない『二十歳の原点』(こちらの方が出演デビューなんだが)にて清楚というのかキュートな女優として気になる女優のひとりとなったわけだが・・、次に観た『嗚呼!おんなたち 猥歌』での過去観た二本に比べての大きな違いに(役どころもあったせいか)なんだか黙ってしまったこと・・

そして今回角さん出演4本目の作品ということで(衛星劇場では何度か放映されてるらしいが自分とこは映らないのでレンタルしようにも、これなかなかレアな作品となっている、取り寄せにてなんとか鑑賞)どんな役ぶりかなと期待しつつ主演の二人そっちのけで映画を観る。途中の主演の野口さんと関わる可哀そうな大学生役だったが、これがなかなか容姿的にみえない。おまけに『嗚呼!~』に続いて裸体を披露。複雑な気分。けっきょく映画全体の雰囲気も相まって心から良かったなぁ~とも云えなかった作品だったかな。

・・そもそも映画が暗い。さみしい。悲壮感。角さん目当てで観たせいもあったのか劇中にずっと流れる音楽も悲しく、しかもなんだか『二十歳の原点』っぽい。たしかに昭和50年の映画だが、古き昭和感ただよう。野口さんの一般人にはなかなか見られない長髪にベルボトム。リアル感があまり感じられなかった野口さんによる反抗期ぶり。江波さんとの姉弟ぶりは『おとうと』のような近親ぶりも思われたけど、なんだか観ててモヤモヤする。付け加えてモヤっとなることには、このパンフ内の多数スチール写真あれどもみんな(ほとんどすべて)姉弟の野口さんと江波さんしかない(つまりはチョイ役でなくそこそこの出演ぐあいの角さんのスチールがない。さすがにちょっと解せなかったかな。

しかも唐突に現れた少女もファンタジーをこえて非現実感。『赤頭巾ちゃん気をつけて』でのラストの女の子にはたしかに意味のあるような登場ぶりだったけど、単に親とはぐれた山下公園での女の子には(しかも野口さんも誘らうかのように普通にキッドナップしてるし)ちょっと。

・・新御三家のひとり、アイドル映画としてもちょっと暗すぎるんじゃないかなと個人的余韻。