Updated on 6月 7, 2022
(映画パンフレット)(原作松本清張作品)『張込み(松竹中央)』
松本清張原作小説を映画化、橋本忍脚本、野村芳太郎監督作品『張込み』(1958)松竹中央劇場版パンフ
英題「The Chase」
(出演)大木実、田村高広、 宮口精二、高峰秀子、高千穂ひづる、小田切みき、
(音楽)黛敏郎
・・松本清張原作 X 野村芳太郎監督による日本映画史に残る推理傑作サスペンス(だね)。
トップシーンから旅館から覗き始めのタイトルまでの列車移動だけでもドキュメンタリチックに見え(昔は大変だったんだね)暑さも感じるは、しんどさも感じるは、長旅を感じさせるこの数分だけでも原作にも引けを取らない映画ならではのワクワク感があるね。ちなみに野村監督作『ゼロの焦点』も『顔』(この『張込み』パンフの表紙の大木さんの顔角度なんかまさに『顔』でのトップシーンでの列車の中からこちらを見てのタイトルと同じだね)も冒頭はホームから出発する列車のくだりだったよね。
メインの張込みシーンはまったくもって都合のいい民家が丸見えの隣に旅館からの覗き、ヒッチコックの『裏窓』のようにすべてお見通し状態(よくもまぁ逆に見られてることが気づかないもんだね)。
・・キャストではパンフの写真やクレジットでの最初の名前にもあがる大木実さんだけど、やはり個人的にはいぶし銀(『七人の侍』でのまげ姿でなく現代人役としての)宮口精二さんの芝居ぶりに惹きつけられる。あと寂しいヒロイン役として普通の主婦役を演じた高峰秀子さんの抑えた母として女性としての役ぶりも良いね。とはいえ、ケチとはいえちょっぴり可哀そうな旦那かな。