Posted on 7月 29, 2019
(映画パンフレット)『ボーダーライン』
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品『ボーダーライン』(2015)
原題「SICARIO(スペイン語で殺し屋の意味)」
(出演)エミリー・ブラント、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン、
(音楽)ヨハン・ヨハンソン
・・121分の緊張の連続。女主人公(ゼロ・ダーク・サーティー?)と思いきや終盤の思ってもみなかった主役の入れ替わり。エミリー・ブラントも蚊帳の外のようにも・・。
・・キッカケ(動機)は、内容でも俳優でもなく撮影監督ロジャー・ディーキンス担当で観ようと惹かれたよね。さすが「ノーカントリー」同様バイオレンスだけど絵がきれい。同じく「ノーカントリー」でのシガーごとくこの作品でも強烈な怪演ぶりのデルトロに全編くぎ付け。またそこに被さるヨハン・ヨハンソンの唸る重低音のスコアも相まって最後まで不安にさせられた。
救いじゃないけど、それほどグロテスク(血みどろ残酷)さはなかったよね。だから視覚的な恐怖というより始終(主人公とスクリーンを通じて同行するように)不安でいっぱいだったよね。フアレスの街中からハイウェイまで現地のパトカー同行のもと車を走らせている窓からフッと警護だと思われたパトカーがいつの間にか居なくなるあの瞬間のような恐怖さがずっと続いてたよね。
印象的なシーンとしては銃撃戦の騒音、爆音もそうだが、夜間の連隊たちの潜入する際などのまわりの虫の鳴き声の静寂ぶりの方が観終わったあとも記憶に残ってた余韻があったかな。
劇中、ポツポツ挟まれるサッカー少年とその親とのシーンは観てて(南米シークエンスとあってか)松本人志監督の「しんぼる」のようも観えたり思ってしまったかな。