(映画パンフレット)『硝子の塔』

   アイラ・レヴィン原作同名小説を映画化、ジョー・エスターハス製作総指揮、脚本、フィリップ・ノイス監督作品『硝子の塔』(1993)

   原題「Sliver」

  (出演)シャロン・ストーン、ウィリアム・ボールドウィン、トム・ベレンジャー、マーティン・ランドー、コリーン・キャンプ、

  (音楽)ハワード・ショア

・・原題の「sliver 」・・日本人には馴染みのない単語なのか初めて知ったので調べてみるに、「sliver building(高層マンション)」っていったとこかな。劇中にも誰かがポロっと一言云って字幕にも出てた記憶もあったが。

・・なんの予備知識なく鑑賞にいたったんで冒頭の前住人の転落からはじまってのナゾあるなかでの主人公の同じ部屋での引っ越しというミステリー感あって良いかなって思いきやの、監視カメラの存在というありえない設定と肉欲にふける人間たち、途中でバラしてしまう展開、けっきょくラストにいたっても何だったのか(犯行したのが誰だかわかっても動機がわからんかった)というモヤモヤ感が残って・・ご期待には・・と、残念。『氷の微笑2』以来のシャロン・ストーンにも期待したんだけど、なんか同じかんじだったね。男どもはみんなバカっぽくみえてパーティーしたいは女とイチャイチャしたいだけの上流社会人というのか・・自分とは真逆な世界にどうでもいいや感。

原作が「ローズマリー」や「ステップフォード」のアイラ・レヴィン作だったと知ったとはいえ未読だからなんとも云えないが、元々の原作からしてこういうお話しだったのか、映画化にいたるに(演出から問題あったのか)こうなってしまったのかわからんが愉しめなかったのは山々。

この映画を観たタイミングも悪かったかなと。この映画を観る前に偶々デヴィッド・リーン監督作『ドクトル』『ライアン』『インド』『アラビア』など観たり余韻に浸ったりしてたあとだったんで(文芸大作とはちがう気分変えて現代ものをと思って観たんだが)・・よりチープさというんだかB級感だかスケールから醍醐味からすべてにわたって小粒にみえてしまったのかなと。

・・音楽の担当にハワード・ショアってあるけど、冒頭のタイトルバックから流れる歌聴いてると瞬時にエニグマだと察知。かの『マトリックス』の予告BGMとして使われた「The eyes of  truth」にも似てるなぁと。しかも冒頭のみでなく中盤エンディングにも使われてるほどエニグマ感いっぱいの映画だったね。