(映画パンフレット)『サウスバウンド』

  奥田英朗原作小説を映画化、森田芳光脚本、監督作品『サウスバウンド』(2007)

  英題「South Bound」

 (出演)豊川悦司、天海祐希、北川景子、松山ケンイチ、

 (音楽)大島ミチル

・・なんだか表紙から北野武監督作品(キタノブルー)を思わず感じさせられるスカッとした青空の映えたレイアウトデザインパンフレット。これはこれで良いね。

・・この映画を観るに至った経緯としては(次元上昇の過程としてだったのか、自分の普段の現実感の変化に及んでのことだったのか)まさに日常生活が変わりつつある時にパンフを安価で得て・・までは良いいとして、別にあとでも観ればいいものを、そのタイミングのなかにおいて映画の状況や設定が自分にダブルものが感じられて原作は未読ばがらすぐにでも観たくなった(主人公の設定としての元過激派はさすがに自分とダブルことはないが)。

観ながらハリソン・フォード主演の『モスキート・コースト』(一方的な考えの父親のもと生活を変えられてしまった家族の顛末)なんか思いだしたりしたね。

ん~ん、でもどうも森田映画を期待してたか、正直(過去の作品群と比べるなどし)お話が面白くはなかったかな(ということは原作からして?)。森田タッチと云うかクセある撮影法やクセある俳優などが観られなかったような。例えて云うとじゃないが、リンチ作品を観に行って『ストレイト・ストーリー』を観終わったあとのような後味感。

キャストでは妹役の女の子は自然なやり振る舞いに可愛らしさがあったり、若き頃の柳楽優弥さん似の長男に鉄道マニアの女優村井美樹さんの久しぶりにみた芝居ぶりが新鮮。ただ他の子役たちはちょっとしんどかったかな。

・・まぁ今回この作品を楽しんだことよりも観たということに自分的には意義があったと自覚する。今後の生活にも心配もせず期待も持たず未来も過去もなく今を生きていくのみかね。グラウディングを続けていきながらね。

・・劇中にもお母さん役の天海祐希さんも云ってた・・「どこへ行っても、なにかあるのね・・」・・なんか一番心に刺さったね。