(映画パンフレット)『お嬢さん』

お嬢さん1
お嬢さん2

   原案サラ・ウォーターズの小説「荊の城」を映画化、パク・チャヌク製作、脚本、監督作品『お嬢さん』(2016)

   原題「아가씨 The Handmaiden」

  (出演)キム・ミニ、キム・テリ、ナム・スッキ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン、

・・R―18指定映画)ということで、あと過去の監督作品の作風を思い、どんな仰天映画なのか、どんな刺激やセンセーションをもらえるのかと期待大に鑑賞。

そして鑑賞後、まず率直に思ったこと3つほど。

ひとつにはこの映画のお話の基となったサラ・ウォーターズ原作の「荊の城」を無性に読みたくなったこと(どう脚色されたのかも気になったり)。脚色といえば、舞台を変えたことによるメインキャストたちの日本語芝居について。ショーン・コネリーの「ライジング・サン」じゃないけど正直台詞があまり頭に入ってこなかったのも多々あったり。

しかしそんな微妙な要素も忘れるほどの二つ目の感想として、スッキ役のキム・テリさん(この映画がデビューだってね)がホントに良かった。久しぶり監督(演出ぶり)の方よりも役者さんの方に着目してしまった。あどけない池脇千鶴さん似の童顔にもかかわらずの体当たり演技も堂々と披露。主演で‟お嬢さん“こと秀子役のキム・ミニさんよりも良かったなぁ。

そして3つ目(これは今回ズシンと感じたこと)には、韓国映画(界)の勢い(力強さ)をひしひしと痛感したこと。逆に云えば今の日本映画は漫画、小説の原作の映像化ばかりのなんの刺激もないインパクトもない無難なもの(ウェルメイド風?)ばかり。観て面白いか詰まらないか以前に観てみたいなぁと思われる作品になかなかお目にかかれない。云ってみれば個人の好みだが、日本映画でも家でしょっちゅう観てるひと昔まえのアートシアター作品なんか題材、演出、出てる俳優陣すべてに力強さがあり(今の韓国映画のよう)今でいう規制なんか吹っ飛んでしまうほどの迫力もあるよね。だから昔の映画ばかり観てしまうよね。

・・なんの為にお金を払って劇場まで足を運んで映画を観に行くのか・・。

やっぱり、映画においての三要素はエロ・グロ・ナンセンスだと思う。日常では体験できない疑似体験を映画によってもらったり、ガツンとくる心に強烈に刺さるものを得るためにテレビでは見ることのできない映画ならではのモノを得たいと思うのだが・・。決して漫画や小説などの原作ありきがダメとは云ってない(今回の「お嬢さん」も原作ものだし)。ただ、そればっかりもうんざりしてしまい監督による作家性もわからなくなる(ホントにただ映像化しただけ・・など)。そういうことを毎度思う度、今の韓国映画は(称賛の意味で)よくまぁ企画も通り、よく映画製作までにもいたり出資会社もいたもんだと感心してしまう。

・・もっと日本映画もR指定映画(衝撃作品)をいっぱい作って欲しいものだね。生ぬるすぎる。

 

   

 

 

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