Updated on 7月 10, 2020
(映画パンフレット) 『ヘイトフル・エイト』
クェンティン・タランティーノ監督作品『ヘイトフル・エイト』(2015年)
原題「The Hateful Eight」
(出演)サミュエル・L・ジャクソン, カート・ラッセル, ジェニファー・ジェイソン・リー, ウォルトン・ ゴギンズ, デミアン・ビチル, ティム・ロス, マイケル・マドセン, ブルース・ダーン,
(音楽)エンニオ・モリコーネ
・・まず残念というか何と云うか、せっかく”ウルトラパナヴィジョン70”のフィルム撮影された70mm作品なのだが一番良い状態で映画を観られない(観られなかった)ことがちょっと悔やまれる。
第69回アカデミー賞での作曲賞に巨匠エンニオ・モリコーネが受賞・・自分としては正直思ってもいなかったなぁ。確かにサントラを聴いても良いのだが、これといった耳にいつまでも残るような名曲かというとそれ程のインパクトさがあまり・・。だから今回の受賞がモリコーネの初受賞と聞いて過去にもっととびっきり良い名曲作ってるだろ~と文句に近いツッコミなんか入れてしまう。なにかというとありすぎて困ってしまうくらいの数がある。個人的には順位はないが好きなモリコーネサントラとしては「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト(つまりは邦題でいうウェスタンのことね)」「ロリータ(エイドリアン・ライン版)」などあるが昔の西部劇時など名曲を作ってたのでせめてその時あたりに受賞しても全然おかしくないのだが・・だから今回の作品でのが受賞にビックリだな。他のノミネートが悪かったのかな?
・・さて、中身に関しては、途中から深くなっていくミステリー展開にこれまでのタランティーノの作風には珍しい感じだったが素直に楽しめグロさもあり、全体的にタランティーノお得意の会話劇に長い上映時間も全然退屈しなかったね。
キャストでは主演のサミュエルジャクソンも良い味出してて、特に、撃たれた後の痛がりようには個人的にツボにはまって笑いっぱなしだったかな。
・・あと紅一点?のジェニファー・ジェイソンリー。パンフレットでの人物紹介の出演歴には「ミセスパーカー」「ジョージア」くらいしか書かれてないが(確かに賞を獲ったものとあってか)、個人的にはこの女優さんと云えば真っ先に体を引き裂かれる「ヒッチャー」や同じく体を張った演技の「ブルックリン最終出口」の方が思い起こすなぁ。他にもカート・ラッセルやブルース・ダーンなど名優も出演して皆が主役でもおかしくない揃いぶり。
それと面白かったのは、映画を観ててティム・ロスが最後までどうしてもクリストフ・ヴァルツにしか見えなかったこと(前作ジャンゴの時の容貌に似てた)。
なにはともあれ素直に面白かった。・・タランティーノ監督作品・・まだ8作目なんだね。もっと観てる感あるけど。こんどはまた現代版のクライムアクションやって欲しいね。