(映画パンフレット)『乱れからくり』

  第31回(1978年)日本推理作家協会賞受賞作、泡坂妻夫原作小説を映画化、児玉進監督作品『乱れからくり』(1978)

 (出演)松田優作、野際陽子、篠ひろ子、田中邦衛、結城しのぶ、沖雅也、峰岸徹、泡坂妻夫、

 (音楽)大野雄二

・・原作は推理作家賞といい直木賞候補作といいミステリーの世界でも名著であるほど大きなものだが、映画となるとプログラムピクチャー的な小粒の作品(横溝正史原作映画の小さい版のような)となってしまったかのよう。しかも主演の松田さん音楽の大野さんというとあったか文芸推理調からハードボイルド調になったかのよう。共演の野際さん田中さんといい掛け合いからしてなにかシックリこなかったかな。「奈良漬!」って云われても原作に即しただけで舞台劇のようなリアル感なかった。

どう作られるかと期待した庭内の迷路も(シャイニングのような感じかなと)なんだかよく形が掴めにくいナチュラルな雑木林というかちょっとがっかり。

隕石もなく、殺される子供もいなく、エンドロールの無い、突然終わる「完」になんだか余韻すらない。

原作最大のトリックも映画版に変えられてて、やっぱりしっくりこなかった。

よかったと云えば出番は少なかったが色香ある結城さんは個人的によかったかな。

・・原作で得た感動引っ提げて期待して観た映画だったぶん消化不良だったかな。

(映画パンフレット)『ファム・ファタール』

  ブライアン・デ・パルマ脚本、監督作品『ファム・ファタール』(2002)

  原題「Femme Fatale」

 (出演)レベッカ・ローミン=ステイモス、アントニオ・バンデラス、ピーター・コヨーテ、エリック・エブアニー、

 (音楽)坂本龍一

・・正直、思い返しても、本編よりも坂本さんのメインスコア「BOLERISH」の方に印象大だった記憶。

『スネーク・アイズ』でのボクシング会場を思わせられる今回のカンヌ映画祭でのやりとりも一見スケールも大きいようにみえて展開がなかの狭いトイレや通路などこじんまりした感じに思われたかな。あとはまさに他人の夢の中を覗き見てるような(もしくはパラレルワールド?)云ってみればどうでもいいような展開に心からどうでもいいようなお話に過去のデパルマ作品と比べても小粒なかんじに観えた映画だったかな。

・・相変わらずの二分割画面や間俯瞰ショットなどデパルマド定番カットも満載だったけど、やっぱり思い返すと、スリリングさ、残酷性、ハラハラドキドキぐあいもバックに流れる軽やかなbolerishのせいもあったろうか、なんだかデパルマ作品じゃなかったかのような。

・・やっぱり主演の二役した主演のレベッカ・ローミン=ステイモスさんによる映画だったためか、男優陣(アントニオ・バンデラス、ピーター・コヨーテ)さんらの見せ場のなかったようなサブ的役に可哀そうに思えたりも。

・・せっかくのお色気というのかハイライトのひとつ女性同士の絡みや身に付けてる蛇の装飾品などいろいろ視覚的にも絵になるモノもあるにも関わらず(毎度ながらいつも思う)文字だけのパンフデザインにはやはり味気ない。文字だけのデザインが流行りなのかどうかわからないが、60年代、70年代からのパンフを見てきたものにとってつまらない。