Updated on 2月 21, 2016
(映画パンフレット) 『フォックスキャッチャー』
( ↓ フライヤー )
第87回アカデミー賞作品賞にノミネート、ベネット・ミラー監督作品『フォックスキャッチャー』(2014年)。
・・2015年度、自分が観た映画での(順位はつけるものではないが)一番記憶に残った作品(簡単に云えば2015年度のマイベストか・・)。
内容は一つの実際に起きた殺人事件(デュポン財閥の御曹司による五輪メダリスト射殺事件)の顛末を描いた比較的地味な物語であるが、なにぶんジメジメとした雰囲気が続き、なにか狂気じみた気持ち悪さを感じ観てて苦しかった。
役者に関しては何と云ってもジョン・デュポン(射殺犯)を演じたスティーブ・カレルのメイキャップした変わりようにはビックリ。「40歳の童貞男」とは全然別人。
音楽(ロブ・シモンセン担当)に関しても全編にわたって暗くドンよりとしたものがあり、オープニングタイトルの重たい管弦楽器メインの曲からピアノによるなにか今にも起きそうな前触れ調の曲もあったりして聴いてて不安になる。
監督は以前「カポーティ」(これもまた実在の人物だし、代表作「冷血」の取材、執筆を追ったドキュメンタリータッチで、これまた作品のトーンがグレー基調の作品でこの『フォックスキャッチャー』と似てる。なので制作費を何百億円かけて作る(CGつかったり、3D方式だったりなど)大作映画が好きな人にとってはこういう作品は取っ付きが悪いと思うが、自分は断然こっち派。ポップコーンなど途中で食べてる余裕もなく、脳裏にも残るよね。