Updated on 1月 10, 2023
(小説・エッセイ)(松本清張)「点と線」
松本清張原作『点と線』(昭和32年)光文社・新潮文庫
英題「points and lines」
・・高校に入る頃まで野球ばかり(クラブ活動)でまったく本を読むことがなかった(映画はけっこう観ておきながら)自分がたまたまテレビで観かけた松本清張が東京駅のステーションホテルで執筆した(ネタも思いついた?)4分間の殺人トリックをとりあげた番組をみて急にその原作を読みたくなり古書店で安く買い読んだのが(いわば清張デビューといったとこか)この「点と線」。
・・なにしろ読みやすい。
他の「砂の器」や「眼の壁」などのちに映画を観てから原作を読んだものがあるいっぽう、「点と線」に関してはだいぶ時間の経ったあと、映画化されたことを知り、文芸座まで観に行ったことを覚えている。ツッコミどこもよく云われがちだが、やはり清張本(作品)のなかでは最初にこの本から入ることを薦めたい。
清張作品ではこの作品といい矛盾、シュール、不可解といったタイトルづけされることがよくある。「遠い接近」「熱い絹」「考える葉」「風の息」など。・・センスがいいね。