Updated on 7月 6, 2026
(映画パンフレット)『愛奴』




栗田勇原作、脚本、羽仁進脚本、監督作品『愛奴』(1969)
英題「AIDO-Slave of Love-」
(出演)河原崎建三 、末政百合、額村喜美子、白井健三郎、増田貴光、
(音楽)村松貞三
・・今日、一日限りの上映(羽仁進監督特集)を観られたことに長年待ちに待ってた一個人の喜びは大きかった(今日を逃したらまた当分のあいだ観られる機会は無いだろうなぁ。ソフト化もいまだに期待できないし)。なので作品の内容(感想)云々よりもまず作品を観られたということに甚く感動。
・・全編、フィルムの劣化による赤茶けた(カラーともモノクロとも云えないような)ノイズだらけが69年の日本世相をより生々しく感じられて、かえって良かったなぁ。眠くなるようで眠くならない、スクリーンを被りつきながらムンムンと体が火照るような感覚。これぞ映画体感という醍醐味。
・・内容といえば、この世ともあの世とも判りかねる世界で、これまた生きてるのか死人なのか判りかねる(愛奴)に振り回される主人公による(これまたポエティックな)つぶやきの連続に観てるこちらも振り回される。なので話の整理にと、もう一度(だいぶ昔に一度きり読んだ栗田勇著本を)読もうかと。それでまた余韻を楽しもうかと。
・・とにかく(個人的に捉えた)ハイライトはスクリーンいっぱいに映る唇を重ねる接吻の連続だろうなぁ。肌の触れ合いも含めて観ながらレネの『二十四時間の情事』を思い起こしたり。一連の絡みは全然卑猥にみえないエロティックさが存分にあったよね。これぞめくるめく幻想、どこからどこまでが覚醒してる現実での世界なのか?もしくはいったい今自分は夢を見ている最中なのか?といった、どっちもどっち、どちらでもかまわない、すべて受け入れる、など諭された感あり。
・・パンフの表紙デザインも絵画調を思わせる卑猥さもないシンプルな絡む男と女に心地よく観入ってしまう。けっして前衛的でもないが原作のようなポエティックをかんじる。