(映画パンフレット)『ザ・キラー』

  アレクシス・ノラン原作フランスの同名グラフィックノベルシリーズをもとに映画化、Netflix、ブラッド・ピット製作、デビッド・フィンチャー監督作品『ザ・キラー』(2023)フライヤー

  原題「The Killer」

 (出演)マイケル・ファスベンダー、ティルダ・スウィントン、 アーリス・ハワード、

 (音楽)トレント・レズナ

・・当然のことながらフィンチャー作品となりゃ必見。ただ、過去にもあった製作がテレビからしてのパンフなしを思って危惧してたんだが案の定フライヤーのみ(プレスは存在するのか?)。テレビ放映だけでなく劇場公開もする規模の一級作品ならどこかしら(の会社)つくって欲しかったね。堂々たる日本の文化だし、仮にも(B級C級作品ならまだしも)フィンチャー監督作品だぞと。近々公開されるスコセッシ監督の新作『キラー・オブ・ザ~』もパンフは無しか?・・これだけでも観る前の段階からテンション下がるよね。

・・さて映画館へ(Netflixは入ってないし入る気もないから)。冒頭からのパリでのシークエンスはゆっくりじっくりと往年のジャッカルをも思わせられるテンポで良いと思ったんだが・・やっぱり、思ったとおりの(主人公はこれまで何年にわたってのプロで何パーセントの成功率だったのかはともかく)この期に及んでの失敗。それ以降、その後始末(尻拭い)に翻弄されるだけという、監督の演出いぜんに話がなんとも・・。

 そもそもフィンチャー作品を期待して観にいったんだが、タイトルシークエンスはあっさりだし、途中の『イースタン・プロミス』の全裸格闘をもよぎった黒人マッチョとのファイティングはたしかによかったけどフィンチャー作品ならではかっていうとそうでもない。

・・過去にも『サムライ』『ジャッカルの日』『ある殺し屋』など主人公のキャラの独特性に長年記憶に残るようなもんだが・・なんかうすかったかな。おまけに余韻を残す大事なエンドクレジット時の聴いててん?となった80年代の青春映画にかかりそうなポップな歌に作品との違和感(すぐあとの重低音もあったけど慰め程度に感じられたかな)。

・・作品といいパンフの件といいお金を払って観た身としては不満があったかな。