(映画パンフレット)『流されて…』

  リナ・ウェルトミューラー脚本、監督作品『流されて…』(1974)

  原題「Travolti da un insolito destino nell’azzurro mare d’agosto」

 (出演)マリアンジェラ・メラート、ジャンカルロ・ジャンニーニ、

 (音楽)ピエロ・ピッチオーニ

・・けっきょくのところ、排泄欲、睡眠欲、食欲以上に性欲の勝った(性欲には抗えなかった)無人島においての、現代においてのアダムとイヴと云おうか、2人だけの生活。主従関係の無くなった男と女による貪る愛欲物語を思うと「チャタレー夫人」にも通ずるものがあるかも。

 映画のなかでの大事なヒロイン(個人的にはこの女優さん、刺さらなかったなぁ。なにしろ前半での男に対してさげすむ態度に観ながらイライラしっぱなしだったこともあったし)とはいえ何日も経ってもまったく崩れることない化粧ぶりにはさすがにちょっと。

・・男側(臭いシャツ着た南部の貧乏な能無しカボチャ)からみれば俗世からはなれた(現実という目が覚めるまでの)夢物語のようなものだったんじゃないかな。女側からはブルジョア階級(腐り切ったと)による慢心からの改心とでも云おうか。

・・金や物質よりもそれが愛なのか共存なのか営み合うパートナーとの本能から触れ合う(太古からの野性的動物的営み)価値の大きさを(尊さ)知らしめたもんだったんだろうなぁ。

・・続編の「2」は未観だし、もういいでしょ。