Updated on 5月 1, 2022
(映画パンフレット)『この世界の片隅に』



こうの史代原作漫画を映画化、片渕須直脚本、監督作品『この世界の片隅に』(2016)
英題「In This Corner Of The World」
(声の出演)のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世、
(音楽)コトリンゴ
・・映画を観終わった後の率直にまず思ったことは、(日頃から心がけているつもりなのだが)・・”足るを知る”。テレビや本どころか、まったく娯楽のない(唯一は絵を描くことのみ)日々を暮らしながらもなんの不満もなく生き生きと過ごしている主人公すずさんはじめ当時の人々の生きざまをみると龍安寺の蹲踞(つくばい)じゃないけど、”我唯足知”が頭をよぎったね。
我々現代人の欲まみれの”もっと、もっと”を今一度考え直せねばと・・。
映画は高畑勲監督の「ホーホケキョ~」のような小さなエピソードを重ねたかんじの展開だったね。
冒頭からのコトリンゴさんの歌う「悲しくてやりきれない」など聴いてて「かぐや姫の物語」の主題歌を歌った二階堂和美さんの声に似た癒し系ボイスに感動も増し。
そして何よりこの映画最大の魅力のひとつとして主人公すずの声を演じたのんさんの貢献力は非常に大きい(時々綾瀬はるかさんの声にけっこう似て聞こえることもあったかなと)。あの言葉尻の目を細め(これは実写では表現できないデフォルメとしての利点のひとつ)ニタァ~となる照れ隠しなどの表情のなんと愛おしいことよ。あれじゃ、なんの失敗をしても憎めないし許されそう。
・・2016年はあまりにも「君の名は」で盛り上がったが(まだ進行中?)、個人的には両作品を観て思い入れとしては断然「この世界の~」の方に支持。
もう一、二度は観てみたいなと思っている。
Posted on 12月 3, 2016
(小説・エッセイ)『コンビニ人間』
第155回芥川賞作品、村田沙耶香著『コンビニ人間』(2016)文芸春秋。
・・率直な感想として、以前、先に「授乳」や「殺人出産」を読んでその独特な村田ワールドの読み心地のツボにハマった感触を思うとこの芥川賞作品とはいえ、内容のエゲツなさ、キツさ、グロさ、ぶっ飛びな設定を読前に期待したぶん、なにかちょっと物足りなさを感じたかな?
・・伊丹十三監督作品「スーパーの女」を思わせる冒頭からの店内あれこれや、その世界のあるあるネタがふんだんに盛り込まれていて、著者の実経験によるものであろう内容に、自分にとってもみじかな存在のコンビニとはいえ”へぇ~そうなんだ~”と初めて知る豆知識の豊富さに面白く読んだ。18年間結婚せず(性経験もなく)コンビニ一筋で生きてきた主人公恵子の設定や彼女(子供の頃も含め)の思想についてはそれ程異常さクレージーさ非現実さは思わなかったのだが、登場人物のひとり白羽さんを同居(同棲?)させるにいたるくだりや生活ぶりの部分にはちょっと抵抗感(こちらの方がちょっとありえないかなぁ~と)あったかな。
・・装丁の絵が、モンティー・パイソン調?ダリ調?エルンスト調?と個人的に感じたポップでホンワカぶりが良いね。
・・芥川賞とはいえ(けっこう期待したぶん)ちょっと物足りなさを正直感じた作品だったので次の(既に購入済み)「星が吸う水」に期待しよう。
・・ダメだった訳じゃ決してない。








