(小説・エッセイ)(夢に関する本)『文学と精神分析~グラディヴァ~』

 イェンゼンの小説とフロイトによる分析を収録『文学と精神分析 ~グラディヴァ~』角川文庫

 ヴィルヘルム・イェンゼン著『グラディヴァ  ポンペイの空想小説』(1903)

 ジークムント・フロイト著『グラディヴァにおける妄想と夢』(1907)

・・『グラディヴァ』はたしかに面白かった。なんだか現実なのか夢ごとなのか全くの嘘なのかあやふやな展開に他人の夢日記を読んでるようにも思えたり、はたまた、ヒロインを追っかけていく小説内の主人公はヒッチコックの『めまい』のスコティのようでもあったし、作風全体がアドルフォ ビオイ=カサーレスの『モレルの発明』のようで読み心地良かったね。

謎的サスペンスもけっきょくは男女の恋愛に終わったという現実的着地だったけど、ハッピーなエンディングに良かった良かったと。