(映画パンフレット)『ボビーに首ったけ』

 片岡義男原作小説を映画化、脚本石森史郎、平田敏夫監督作品『ボビーに首ったけ』(1985)

 (出演・声)野村宏伸、根津甚八、塚本信夫、村田 博美

  エンディングテーマ『BOBBY’S GIRL』清水マユミ

・・今やこの映画、なかなか観るのが難しくなってるよね。特別上映か映画祭にでも待たなきゃ観られない映画となってるんじゃないかな。

・・空中に舞っていったボビーはまるでロレンスのよう・・。

 映画を観た順番のせいか、先にこっちを観てあとに『メイン・テーマ』(森田芳光監督)を観たんで生身の野村さんに「うわぁ~ボビーそのまんま」。

 村田博美さんて、あの『時空の旅人』の人だよね・・たしかに声もきれいだと思ってたけどパンフ内にチラリ写ってるアフレコ時の写真でも容姿もきれいな感じにみえたけどね。

・・この映画をキッカケにオリジナルかと思ってたエンディングソングがまさかの有名なオールディーズソングだとはと思いながら、多くの人がカバーする歌も聴いたりしたけど、やっぱりこの映画での清水さんの歌うバージョンが・・というかやっぱり切なく聴こえて一番胸に染み入るよね。

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・・古書店の棚に珍しいと云うか片岡義男原作の背表紙が並んでるのをみて、その中の久しぶりにみた「ボビーに首ったけ」を目にする。一昨年に初めて観た際、思ってた以上に良かった印象もって、いつか原作も読んでみようかしらなどその時には思ったものでも、探すことはないとしても、これがなかなか目にすることがない。今回安価にて売られてるのをみて購入。

・・今にいたって、そもそも片岡義男原作は読んだことがなく(だいたい松本清張を読んできた者にとっては、反対のライトな印象に赤川次郎と同じように読んでみようかという気がなかったもの。そして今回率先しての片岡デビュー。思ってたとおりだったね。あと映画化も原作に忠実だったかな。

先に映画の方を観たんで原作どおりな展開に自然とワンシーンワンシーンが思い出される。ただ、映画でも思ったが、登場人物たちの呼称や世界観にちょっと日本離れしたような印象(反リアルというか舞台劇調)にサラッと速読感。だいたい妹が兄に向かって「ボビー」だもんね。

映画でも嫌味に思えたけど、さすがに父親の昭和的考えにはこちらも嫌気がさしたね。

ただ、携帯の存在しない当時にとっての通信手段(手紙)のやりとりにはメールとは違い時間かけてでもまさに頭で考えた文面を文字におこすという作業経ての(心からのやりとり)ことに第三者ながらもドキドキさせられるものを感じる。