(映画パンフレット)『ゴジラvsビオランテ』

 公開応募作を映画化、ゴジラシリーズ第17作、大森一樹脚本、監督作品『ゴジラvsビオランテ』(1989)

  英題「Godzilla vs. Biollante」

 (出演)三田村邦彦、田中好子、高橋幸治、高嶋政伸、峰岸徹、小高恵美、沢口靖子、鈴木京香、久我美子、永島敏行、金田龍之介、

 (音楽)すぎやまこういち

・・正直なとこ、そんなにゴジラシリーズに毎回観てるようなファンではないんだが、公開されたり、テレビで放映されるとなると(或る意味寅さん映画を観るような一応の義務的?)一度は観てしまう。付き合いってとこかな。この作品以降の平成版からは観てないかも。

・・年々大人にへと年とっていくと平行するかのように自分にとって(思ってたように)やっぱり楽しめなかったかな・・、まだまだ日本の特撮に関しては抵抗がぬぐい切れない。ゴジラと云えども、映画とは云えども、いまいちスケールに乏しく観られて映画っていう感じがしなかったかな。戦隊ヒーローもののテレビを観てたかんじもあったかな。

・・そもそも(作品を観てる最中も)この映画内でゴジラは何処へ行って、なにをしたかったのかがよく判らなかった。自衛隊もゴジラに対してなのかビオランテに対してなのか、なにが正義側でなにが悪役だったのかが・・。怪獣のバトル以外での謎のサングラスの胡散臭い外国人との緊張感ないアクションもちょっと長いと思ったりも。

年代を感じたことと云えば、関空がまだできていない(建設予定地)だったということと、端役のひとりに鈴木京香さんが出てたことにあらまと。他の登場人物となると、ゴジラ接近だというのに、自衛隊すらいないなかでの僅か3人ほどでロケットランチャーで退治しようとしたりなどの、どう考えてもそれは無いだろうの峰岸さんや、どれほど偉くどれほど凄い人なのか謎にみえた高島さんの終始無表情など。金田さんに関しては台詞を言うごとに『銀鉄』での学校の先生が観ながらダブってしまうなど。

・・あらためてスケール感なく思われたひとつ、二つに、だいたい第一作目のように逃げる市民たちと同時にテレビ中継やラジオ放送などリアルタイムでの実況などパニック度やスケール感あったけど、今回はいっさいのマスコミはじめ全国市民に向けたりなどの緊迫がなかったね。ということはマスコミも誰もいないなかでの自衛隊らによる(高島さん指揮として)極秘作戦だったということなのかな?と。

ラストの沢口さんの浮かびあがる面影や謎のサングラス外国人を棒で殴った際のまさかの効果音などそれはそれでショウガナイと思うこともあったりも。

・・良かったと云えば、進化したビオランテ(アメリカ版ゴジラのようだったね)の迫る際の、なんだか(ねぶた祭などの)山車が見得をきるかのように前へ前へと移動する際のアオリカットがちょっと格好良かったかな。

もうひとつ、ビオランテと云えば、何度か鳴き声のようなものが劇中にあったけど、あれ?と、日常でも聴いてるヒーリングミュージックのなかで同じような声(イルカの鳴き声のような)があったようにもと観ながらふと思われたりも。

・・エンドクレジットでの地球上空に浮かぶ薔薇の花びらは「ラピュタ」のようにも。