(映画パンフレット)『密告』

 アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督作品『密告』(1943)

 原題「Le Corbeau(カラスの意)」

 (出演)ピエール・フレネー、ピエール・ラルケ、ミシュリーヌ・フランセ、

~1917〜1922年にかけてフランス中部の町チュールで起き、全国紙をにぎわした「チュール事件」をモデルとした映画らしい~

~ドイツ占領軍の指令で作られたとのことでゲシュタポ批判との理由で上映を禁止された作品でもあったらしい~

・・小型パンフの束のなかでパッと視界に入ってきてやけにレトロっぽい、いっけん抽象画のような、熊谷守一の描いたような、もしくは白いラインが東郷青児をも思わせる絵画のようなデザインに惹かれてなんの映画だろ?と見てみると『密告』と・・。知らなかったぁ。監督の名前見て「悪魔のような~」や、「恐怖の~」とこれまでいくつかの作品を観てきた監督だとわかり、DVDででも一回観てにみようかと。

モデルとなった事件があったとはいえ、けっきょく、小さな街での犯人捜しってとこ?「ユージュアル・サスペクツ」でのカイザー・ソゼならぬ、この映画での(カラス)は誰だ?ってとこかな。「悪魔のような~」ほどのビックリサプライズは正直無かったにせよ、筆跡調査時(試験のような)のポコポコはさまれるカットバックなんかヒッチコック映画かと思われるものがあるよね。

・・ラストカットでの画面向うへと歩き去っていく或るキャラ(それこそ黒衣のカラスのよう)をみてるとブニュエルの「エル」のラストが重なったかな。

・・携帯(SNS)なくとも、いつの時代も人間のやること(誹謗中傷)は一緒なんだね。