Posted on 9月 5, 2022
(映画パンフレット)(原作松本清張作品)『黒い画集 あるサラリーマンの証言』
松本清張原作『黒い画集』のなかの一編『証言』を映画化。橋本忍脚色、堀川弘通監督作品『黒い画集 あるサラリーマンの証言』(1960)二つ折りパンフ
英題「Knock Down」
(出演) 小林桂樹、原知佐子、織田政雄、江原達怡、中丸忠雄、中北千枝子、西村晃、平田昭彦、中村伸郎、小池朝雄、
(音楽)池野成
・・まずはこの作品でのパンフ(表紙に絵付きタイプ)を初めてみた。即買い。これま所持してたのは、表紙に『珍品堂主人』のなかでの他作品掲載パターンだった(少々不満)。ということで、まずは単独パターンとしてあったことに正直嬉しい。そして表紙の写真で上半分ドォ~ンとスペースとってる顔の保険外交員杉山役の織田政雄さん(『眼の壁』ではいきなり冒頭自殺する関野課長役などの個人的お気に入りのバイプレーヤー)、・・バイプレーヤー好きの自分にとってはなんか良いねぇ。パンフの表紙であれ小林桂樹さんと対等なあつかいと云うのか。
その織田政雄さんしかり、この映画では主人公の小林桂樹さんよりも(やはりというか)バイプレーヤーの原さん中村さん西村さん・・みんな良い。今作の原さんをみると1960年製作の古さが感じられない。今っぽさもある垢ぬけた感じが谷崎の「痴人の愛」でのナオミをも感じさせる少女っぽさもあったかな。
・・そもそもこの映画、『砂の器』のシンフォニーの規模とはちがいポロンポロンと池野成の物悲しいギターの旋律もあって比較的地味だが、いかにもな清張作品らしい怖さとオソロシサがある。後味も悪い。本編の終りには(終結には)登場人物たち皆不幸に陥ってしまったね。ただ、これこそ清張作品。